こんにちは、市川「はり灸sueru&YOGA」の鍼灸師犬塚志保です。
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず1年以上妊娠しないものを「不妊」といい、妊娠しやすい身体づくりを目的に行う鍼灸を不妊鍼灸といいます。
一般的な肩こりの鍼灸治療と大きな違いは、カウンセリングです。
当院では不妊鍼灸コース専用の問診表をご用意しており、婦人科疾患のことから通院中のクリニックで行った検査や数値、男性不妊に関する内容まで細かくお伺いしています。
病院情報と合わせて行うカウンセリングでは、東洋医学的な体質分類を十分に行い、妊娠を阻むウイークポイントはどこにあるのかひとりひとり分析させていただきます。
今回は「冷え性と黄体不全と不妊鍼灸と・・・」ということで、代表的な体質5つをご紹介します。
ポイントを抑えているので細かい条件は省いていますが、とくに強く感じる症状があるものをご自身の体質、またその傾向があると考えていただければ十分です。
あくまでも代表的な5つですが、参考になるところもありますのでどうぞ最後までご覧ください。
5つの東洋医学的体質分類と不妊鍼灸
タイプA【腎陽虚】
身体を温める気=陽気の不足している状態
腎の生理作用は精を蔵すること、腎が蔵する精を腎精、といいます。
□寒がり
□手足の冷え
□冷えて浮腫む
□倦怠感や疲労感
□夜間尿・尿が希薄
□軟便
□低体温
□高温期の体温が低い
□おりものは多く、希薄
□子宮内膜が薄め
腎陽虚により腎精が不足すれば、老化が早まり、精力の不足、初潮の遅れや無月経いつながります。
腎精は生命力そのものなのです。
タイプB【腎陰虚】
身体の熱を冷ます気=陰気が不足している状態
腎陰虚により腎精が不足すれば、老化が早まり、精力の不足、初潮の遅れや無月経いつながります。
腎精は生命力そのものです。
□めまい・耳鳴り・頭痛
□不眠
□手足のほてり
□頬の紅潮
□寝汗
□便秘
□おりものが少ない、ない
□膣の乾燥
□排卵期の頸管粘液の伸びが確認できない
□子宮内膜が薄め
腎陰が不足すると余分な熱を冷ますことができず、上半身や頭頂部に熱が上昇し各種の不調を起こします。
熱による消耗により身体を滋養できないことで、のぼせなどの不調を起こします。
タイプC【肝鬱気滞】
肝の臓は血の貯蔵や身体の調和をコントロールする役割を担う臓ですが、肝の機能が落ちることにより気血の流れが停滞し、情緒の安寧が乱される状態です。
□感情の抑うつ
□イライラ、ストレスの発散ができない
□ため息がでる
□乳房の張り
□下腹部の膨脹感
□下腹部や腰仙部の月経痛・排卵痛
□月経不順
環境によるストレスや、情緒の乱れによるストレスなど、こころのざわつきが現れることが多いです。
タイプD【痰湿】
痰湿とは代謝されなかった水分が病理化し体内に貯留したものですが、水分に限らず各種脂肪や糖質なども痰湿に含まれます。
□BMI高値の肥満体型
□浮腫みやすい
□身体が重い
□倦怠感、だるさを感じる
□お腹が緩め
□卵巣機能不全
□おりものが多く、白っぽい
パン好きな女性は多いですが、洋菓子、パスタ、うどんなど糖質の多い食事はすべて痰湿の素となる可能性があります。
また、脂っこい食事、甘いもの、塩味が強く味の濃い食事も痰湿の要因です。
タイプE【血瘀】
血瘀は全身的、瘀血は局所的、どちらも血流が停滞している状態を表します。
□下腹部の冷え
□月経前症候群(PMS)
□下腹部や腰仙部の月経痛
□子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など婦人科疾患がある
□月経血の血塊がみられる
□血塊が排出されると月経痛が和らぐ
□細い血管が浮き出たようなものがみられる
慢性的な骨盤内の血流障害を起こし「陰虚×瘀血」「肝鬱気滞×瘀血」など、合わせ技で襲い掛かってくることがほとんどです。
まとめ【冷え性と黄体不全と不妊鍼灸と・・・】
5つの体質をシンプルにひと言でまとめると・・・
A)腎陽虚=冷え症の黄体不全傾向
B)腎陰虚=のぼせと粘液乾燥
C)肝鬱気滞=イライラと月経不順
D)痰湿=甘いもの大好き女子
E)瘀血=月経痛と婦人科病持ち
単品の場合もありますが、2,3つの病態が複雑に絡みあっていることがほとんどです。
当院では中医学を基礎とした中医鍼灸を専門としております。
□気・血・津液(水)・精・神などの身体を構成する基本的な生理物質の推移
□肝・心・脾・肺・腎の五臓
□胆・小腸・胃・大腸・膀胱の六腑
□脳・髄・骨・脈・胆・子宮の奇恒の腑
ぞれぞれの生理作用や機能特徴を踏まえた体質分析を行ったうえで、鍼を用いるのか、灸を用いるのか、あるいは用いないのかをひとりひとり見極めて施術いたします。
中医学の特徴として「いまを診る学問」ということがあります。
「いま」を診ることについて、月のものに合わせて行う不妊鍼灸と中医鍼灸の親和性の高さを感じています。
はり灸sueru(スエール)では子宮・卵巣だけを診て体質を決めることは決してせず、気血津液、五臓六腑、経絡のすべてを診させていただき、一回一回毎の施術の反応も踏まえて経過を追っていきます。
子宮や卵巣は周期的に変化をすることはもちろんですが、気候が及ぼす体調不良、睡眠・食
事・排泄、喜怒哀楽など感情の影響など日々の変化と、AIには出せない人間味を踏まえた東洋医学的体質分類を得意とするのが中医学的な不妊鍼灸です。
妊娠を意識した妊活をスタートしていることや、不妊治療をクリニックで続けていることを、ご家族以外に話している人がいない場合や、職場の同僚や友人など身近な人にも伝えていない方も少なくありません。
そのようなケースでは、悶々とした毎日こそが気滞の要因となり卵巣や子宮の血流を悪くさせることもあります。
プライバシーに配慮した個室にて、安心してお身体のことを話せる時間も必要です。
不妊症の原因がはっきりとわからない方やや、おひとりで不妊治療を続けていらっしゃる方は、中医学を専門としている当院の不妊鍼灸コースでご自身の身体を一度見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
日本産科産婦人科学会HP
「病気が見えるvol.9婦人科・乳腺外科第3版」メディックメディア
公益社団法人東洋療法学校協会「新版東洋医学臨床論(はりきゅう編)」南江堂
李世珍「中医鍼灸臨床発揮」東洋学術出版
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