こんにちは、鍼灸師ヨガインストラクターの犬塚志保です。
前回は、古い時代から陰陽論が生活に馴染んでいた、というお話でした。
陰と陽、それぞれについて考えてみましょう。
陽のイメージについて、思いつくことは何かありますか?
【陽の性質】
促進力、成長、
陰の抑制
温める作用
動かす作用 ・・・どちらも気の働きそのものです
陽×虚=陽虚→寒がり、冷え、息切れ、倦怠感
陽×実=陽盛→発熱
では、陰のイメージはどうでしょうか?
【陰の性質】
抑制、制御するちから
滋潤作用(滋養し、潤いを与える)
寧静作用(陽を落ち着かせる、冷ます) ・・・血、精、津液の働き
陰×虚=陰虚→ほてり、のぼせ、寝汗、虚熱
陰×実=陰盛→気候や飲食物の侵襲による冷え
【陰陽のバランス】
陰陽に優劣関係はない
陰陽の消長・・・リズム変化のこと
陰陽の転化・・・陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる
陰陽の可分・・・陽中の陰、陰中の陽 / 黒のなかの白マル、白のなかの黒マル
陰陽論は、呼吸の吐くときと吸うときにも関係しています。
吐くときは陰、吸うときは陽です。
日照時間が短くなり、乾燥する季節には、環境も人間も陰の不足が起こります。
気血津液精などの生理物質のうち、陰分である津液が不足することにより潤いを与えたり、滋養することができなくなります。
気管支や喉の潤いがなくなれば、乾燥した咳が出やすくなったり、痰が絡むような咳が出やすくなります。咳自体が、強く息を吐くことと同じ現象です。
陰には抑制力や寧静力がありましたが、陰の落ち着かせる力が弱くなると、相対的に陽が強くなり、上へ外へと向かう症状が出やすくなります。
陰分の不足=陰虚は肩こり、頭痛など体の上半身の症状に影響していることがあります。
人間のからだにおいて陰陽の平衡を保つことが、
不定愁訴の解消及び予防医学の基本ともいえるでしょう。
Comments