こんにちは、市川【はり灸sueru&YOGA】鍼灸師の犬塚志保です。
月刊つぼこの部屋ということで、毎月ひとつのツボを深く掘り下げてご紹介しております。
今月は【足三里】です。
足にあるツボの中でも有名なツボのひとつで、東洋医学やツボに興味があって足三里を知らない方はいらっしゃらないと思います。
実際の鍼灸治療でも使われることが多いツボで、筆記実技ともに試験にもよく出題されます。わたしにとって、迷いなく足三里のツボを探せるようになることはひとつの目標でした。
ぜひ、みなさんも一緒に【足三里】を探してみてください!
【足三里】の場所
ツボの名前:足三里
ツボ:足三里
読み:あしさんり
所属:足の陽明胃経
位置:①脛の外側、膝の関節の下3寸=指4本の高さ
②脛の外側、陰陵泉と同じ高さ
【足三里】のツボを取るコツ
・脛骨の高まりから、指1本分外側を目安にします。
・足三里と陰陵泉はほぼ同じ高さとなりますが、担当する鍼灸師によって差はあると思います。
・虚証では指が奥深く入り込むような感覚、実証では弦楽器の弦のようなつよい緊張を感じます。
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【足三里】を押して痛い時に考えられる症状
足三里を押して痛い時に考えられる症状は
夏バテ
胃もたれ
胸やけ
食欲不振
膝関節痛
足の疲れやだるさ
などです。
以下、東洋医学的に3つのパターンに分類します。
少しマニアックな感じがするかもしれませんが、当てはまるところがあれば参考にしてみてください。
虚証:健脾養胃・補中益気
消化器系の疲れのうち、もともと食が細く体型もやせ型、筋肉もあまりないようなタイプの胃腸の不良の場合は虚証が考えられます。
足三里の痛みは穏やかで、凹みを深く感じることが多いです。
実証:和胃通腸・去痰導滞
消化器系の疲れのうち、暴飲暴食、外食、飲酒、甘いもの好きなど食欲旺盛で体型もしっかりしているようなタイプの胃腸の不良の場合は実証が考えられます。
また、気圧による気象病などを自覚する方で悪心や吐き気などを訴える場合も、胃の上逆による経絡の滞りや余分な水分=痰の停滞が考えられます。
足三里の痛みは鋭く、緊張を感じることが多いです。
経筋:前脛骨筋
つま先を持ち上げ、足関節を上に曲げる動きをします。
股関節・膝関節症・足関節に痛みがある場合には、足全体を持ち上げることが苦痛になるため前脛骨筋の過緊張が起こりやすいです。
また、つま先立ちの姿勢が多いスポーツやヒールを履く機会が多い方も前脛骨筋の緊張や疲労感が出やすいようです。
足三里を押して痛い時にあなたができるツボ対策
足三里のお灸のやり方
・虚証の方におすすめ
・程よい熱さのお灸
・1~3日に1度の間隔
足三里の指圧による押し方
・実証の方におすすめ
・イタ気持ちいいくらいの圧
・1~3日に1度の間隔
経筋=前脛骨筋のケアを目的とする場合には、お灸・指圧どちらでもお好みで〇
実証の方は指圧か鍼がベターです。お灸をする場合にはやり過ぎないようにしましょう。
判断に迷う場合は鍼灸師にご相談されることをおすすめします。
足三里の推しポイント
足三里の三で3寸と覚えるのですが、3寸=指4本分という学生泣かせのややこしさがありますね。
腹部に納まる臓腑はそれぞれが関連を持ちながら働いていて、とくに胃は飲食物の受付として重要な器官のひとつです。しかし担当制で代用が聞かないため、胃が働かないとほかの臓腑も不調をきたしてしまいます。
胃には同じ消化器系としてペアとして脾の働きを補助し、脾が捌ききれない余分な水分の処理なども担います。
胃経のツボ代表である足三里にお灸や指圧、鍼をすることで、脾の健康=健脾の効果を期待できるほか、胃の経絡の滞りも解消することができます。
経絡の滞りは気の滞りなども関係しますので、神経性胃炎のような症状がある場合は胃経の通りが良くなると一時的にスッキリ感があるようです。
まとめ【足三里】夏バテ・胃もたれ・胸やけ・食欲不振に
足三里を押して痛みがあるときに考えられる症状は、夏バテ・胃もたれ・胸やけ・食欲不振・膝関節痛・足の疲れやだるさなどがあります。
食が豊富な現代では、暴飲暴食、外食、飲酒、甘いもの好きなど食欲旺盛、体型もしっかりしているようなタイプの胃腸の不良の場合が多いように感じます。胃が弱いというより、胃を使い過ぎていることはありませんか。
空腹感がないけれど、定刻にそって食事を取ることが習慣化している場合も、食事量が多くなくても、結果的に胃腸に負担をかけていることがあります。最後にお腹が鳴ったのはいつか、思い出してみましょう。
なかには、何らかの影響で食事が入らない、空腹感がないため食事を取ることが難しいこともあると思います。
胃の問題なのか、そのほかの問題なのか、判断に迷う場合はかかりつけの医師の先生か鍼灸師にご相談されることをおすすめします。
9月のつぼこの部屋「足三里」はいかがでしたでしょうか。
それぞれの症状は点々と個別に出ているように見えても、東洋医学のレンズ越しに覗いてみると、点と点がつながり合って、一本の線となり、ひとつの道になることがあります。
ひとつの症状はセルフケアでも対応できることがありますが、ふたつ、みっつと増えていく場合には、早めに専門家にご相談されることをおススメします。
こじらせると、その分回復までの時間も要しますからね。
月刊つぼこの部屋は、ネット版のほかにアナログ版もございます。
アナログ版は、店頭にあるチラシボックスか受付にて配布しております。
ポストカードサイズになっておりますので、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。
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