こんにちは、はり灸sueru&YOGAです。
月刊つぼこの部屋ということで、毎月ひとつのツボを深く掘り下げてご紹介しております。
今月は【公孫】胃痛・下痢・吐き気・しゃっくりです。
【公孫】ツボの場所
ツボ:公孫
読み:こうそん
経絡:足の太陰脾経
要穴:絡穴・八脈交会穴
場所:足の親指の内側・土踏まずにある凹み
筋肉:母指外転筋・前脛骨筋腱・長短母指屈筋腱
運動神経:内側足底神経・深腓骨神経
知覚神経:伏在神経
血管:足背動脈
【公孫】ツボの押し方
・浅い蓮華座になり、手の母指を公孫にあてがい凹みに沿って押し込みます。
・体力的に落ちているときの症状ならやさしく、体力が充実しているときの症状なら骨に向かってしっかり、状況に併せて押しましょう。
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【公孫】ツボの効果
公孫のツボは胃痛・下痢・吐き気・しゃっくりに効果的です。
公孫を押して痛いときには胃痛・吐き気・下痢・しゃっくりなどで気の詰まりや停滞、気の上逆が出現しやすい実証の状態であるということが予測されます。
押して気持ちいいと感じる時には、胃痛・下痢・吐き気などで体力が落ちている虚証の状態であるということが予測されます。
【公孫】痛い時に考えられる症状
◆消化器系症状
#胃痛
#下痢
#吐き気
#しゃっくり
◆精神的な症状
#心煩
#不眠
◆婦人科系症状
#月経不順
#不正出血
#不妊症
◆運動器系症状
#足底腱膜炎
#捻挫の既往
#外反母趾
#膝関節周囲炎
【公孫】痛いときのお灸とツボ押し
「公孫」のお灸
・適度な熱さのお灸
・1~3日に1度の間隔
「公孫」のツボ押し
・イタ気持ちいいくらいの圧
・1~3日に1度の間隔
【公孫】名前の由来
五臓のなかでも、公孫が属する太陰脾経は帝がいる中央を示しています。
特に公孫は胃や心など他の臓腑とののつながりを得意とし、まさに各部署に指示を出す帝のように働きます。
三陰交・陰陵泉とともに大変使いやすいツボのひとつです。
【公孫】臨床の現場から
2024年上半期において、公孫はマイブームでした。
もとより奇経の八脈交会穴として、不妊鍼灸治療やつわりなど公孫と内関の組み合わせを用いることはありました。つわりによる吐き気や、低気圧に伴う吐き気や頭痛など著効していたように感じていましたが、2023-2024はとくにお灸で出番が多くありました。
気の上逆や停滞が胃に影響している吐き気ばかりでなく、精神的なストレスによる腹痛や下痢は心の影響も考えられます。
体力<気力で乗り切っているタイプで胃腸の負担により気血の補充が追いついてない場合に公孫のツボの反応を探ると、ほぼほぼペコペコでツボが虚していることが多い印象です。
土踏まずが発達していて偏平足の方でも第1中足骨と母趾外転筋の隙間が深いこともあるので、筋力だけの話でもないように思います。
施術説明でも十分にお伝えしていますが、皆様の想像と違うことも多々あるようで、通常先が鋭い何かが毛細血管に刺されば出血・内出血が起こります。
決して恐怖心をあおるわけではなく、そもそもアプローチしたいツボに皮膚の張りがなく虚していれば内出血が起こりやすいです。とくに女性ですが、打撲による内出血が多い方などの施術は丁寧に行う必要があります。
皮膚の張りがあった方が鍼は刺しやすいので(←張りと鍼でややこしい!)皮膚が緩すぎたり、痛みに弱いタイプには負担が少ない熱さのお灸を選ぶようにしています。。あとは全体のバランスでお灸にすることもあります。
お灸でなく鍼を刺すこともありますが、瀉法に向かわせるため、中医鍼灸の特徴でもある響き・得気を出すやり方が合うかどうかの見極めも大切です。鍼灸の施術に慣れ、ラポール形成が構築されてから刺鍼につなげるように段階を踏むこともあります。
切皮痛に関しては、ここ数年の試行錯誤により発生率が抑えられていることもマイブームに影響しているかもしれません。
自身の体での刺鍼や施術後の反応などを踏まえツボの組み合わせを試行錯誤しておりますが、自信をもって鍼を打てるようになるとツボの使い方も広がるので、一人一人の体に合わせて施術を行う意義を日々感じさせられます。
まとめ【公孫】胃痛・下痢・吐き気・しゃっくり
【公孫】のツボの効果には、胃痛・下痢・吐き気・しゃっくりがあります。
足三里や合谷、三陰交など超有名なツボを1軍とすると、流派によって公孫は2軍、3軍になってしまうツボかもしれません。
しかし、胃とのつながりを思えば欠かせないツボであり、公孫にサポートに入ってもらえたらすべての歯車がかみ合ってくるようなチームで生きてくるツボだと思います。
古くから「名医は少ないツボで治す」と言われていますが、1軍と2,3軍の組み合わせをどうするかが中医鍼灸治療の腕の見せどころです。1軍が10穴いるチームより、全体のバランスが良いことで機能してくる組み合わせが個人的には好きです。
検索社会になり情報入手もスポットになりがちですが、関連のツボも併せて目を通すだけで東洋医学の広がりが感じられると思います。
ぜひ、公孫のツボで経絡を感じていただけたらうれしいです。
参考資料)
代田文誌:鍼灸真髄、医道の日本社
教科書執筆小委員会:経絡経穴概論、医道の日本
劉公望・兵頭明監修:針灸学[経穴篇]、東洋学術出版
李世珍:臨床経穴学、東洋学術出版
兵頭明監修:ビジュアル版東洋医学経絡・ツボの教科書
藤本蓮風:経穴解説、メディカルユーコン
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