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中医学×月経診断

更新日:8月24日

こんにちは、はり灸sueru&YOGAの鍼灸師犬塚志保です。


2011年より不妊鍼灸治療に関わり、2017年より中医学を取り入れた婦人科分野の鍼灸治療を行ってまいりました。不妊鍼灸臨床歴10年以上の経験を踏まえて、

中医学からの視点で月経を分類してみますので参考になれば幸いです。


月経の様子や体調に関するポイントなど、自分の身体を知るきっかけとしてお読み頂ければと思います。



市川 鍼灸 不妊 
あなたの月経は何タイプ?





中医学では、妊娠経験のないものを「全不産」または「無子」、妊娠経験のあるものを「断緒」といいます。


西洋医学的には、避妊をしていないのに1年以上にわたって妊娠に至れない状態を不妊症と定義します。35歳以上の場合には6ヶ月の不妊期間が経過したあとは検査を開始することを推奨しています。(日本産科婦人科学会より)



不妊の原因は様々ですが、中医学的な体質診断ではどのように不妊症をとらえているのか確認していきましょう。いくつ当てはまるか、普段の生活を思い出しながらチェックしてみてください。



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腎気虚×月経

 

□経血量は少ない

□月経が遅れやすい

□腰や膝がだるい

□疲れるとめまい・耳鳴りがする 

□倦怠感が抜けない



五臓六腑のなかで「腎」は生殖機能の主体となり、成長や性機能に関与しています。

「腎気」が弱まると生殖機能の低下、腎精が枯渇し、全身的な活力が低下していきます。


妊娠するためには(排卵の時期に)タイミングを合わせ、(性交渉の)回数を増やし妊娠する確率を高めることが必須なのですが、腎気虚の場合は消耗しすぎてしまう場合があります。






腎陰虚×月経

 

□経血量は少なめ

□月経周期が短い

□顔面が青白いなど貧血傾向

□産後あるいは多産の経験がある

□手足がほてりやすい


「腎気虚」との違いは、貧血症状など血の不足を伴うこと、手足のほてりなど虚熱症状を伴うことです。


血の不足=血虚がひどくなると陰虚に進行しますが、流産や出産の経験がある場合には基本的に陰虚が確認できると想定しています。


陰虚体質の方は標準~やせ型体型のことが多く、睡眠時間を確保し、ダイエットを意識している場合にはほどほどに。。






胞宮寒冷×月経

 

□下腹部の冷感

□寒がり・冷えやすい環境

□経血色は紫暗色

□経血量は少ない

□尿は希薄


冷えを訴える妊活女子は約9割(イヌヅカ調べ)ですが、本当にガチの冷え症はほんの一部です。その一部が、この胞宮寒冷=腎陽虚です。


「下半身が水につかっているような感じ」「湯舟でしっかり温まったはずなのに上がるとすぐに冷える」など、まるで皆で口を合わせたようなフレーズが出てくることがあります。






痰湿×月経

 

□標準~肥満体型

□惣菜・コンビニ・外食が多い

□スイーツは毎日

□むくみやすい

□身体が重だるい


味の濃いものを食べているかどうかは、自分では気がつかないのかなと思っています。


甘党も辛党も共通するのは、甘いものやしょっぱいものを食べた後はのどが渇きやすいので水分摂取量が格段に増えます。消化に負担がかかりますので水分を体内に貯留させやすく、エンドレスなむくみコースが循環している状態です。







血瘀×月経

 

□経血の塊がある

□刺し込むような生理痛

□血塊が排出されると生理痛が緩和する

□経血色は紫暗

□舌下静脈が浮き出ている


血瘀、もしくは瘀血では、ほかの体質と絡んで発生する場合がほとんどです。


血の運行が渋滞により、淀んで停滞している状態です。濃く、煮詰まったイメージです。


停滞するので、痛みもあちこち移動することはなく、下腹部・恥骨部・尾骨部・会陰部など固定しているのも特徴です。







肝鬱気滞×月経

 

□イライラ・落ち込みなど情緒不安定

□焦り、追われる感じがする

□胸が脹れ、時に苦しい

□冷えやほてりは感じない

□月経周期が乱れやすい


不妊治療をしていて、気がうっ滞しない人はいません!

仕事や家庭との両立だけ、通院のスケジュール調整、投薬による副反応、周囲とのバランス、情緒を乱す要因であふれています。


いい意味で気をそらす、集中できる趣味を持つ、推し活など、オンオフの切り替えを!!






まとめ

 

これら5つの中医学的体質診断は、単体でも発生することもありますが、ほとんどの場合2~3つの組み合わせで出現します。


もともと生まれながら備わった体質があるとして、その状態が病的なほどに逸脱しないように調整することが鍼灸治療の本質です。


いいほうに変えるのは時間がかかりますが、よくないほうに引っ張られるのはあっという間です。


体質的コンディションを保ちつつ、周期や治療段階に応じた鍼灸治療によって妊娠のための身体づくりをしたい、そんな女性たちが不妊鍼灸治療を取り入れている傾向があります。


後悔しない妊活ができるよう、婦人科分野を専門とする女性鍼灸師の立場からこれからも応援しています。




 


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