こんにちは、市川【はり灸sueru&YOGA】鍼灸師の犬塚志保です。
月刊つぼこの部屋ということで、毎月ひとつのツボを深く掘り下げてご紹介しております。
今月は「太衝」です。
足三里や合谷、三陰交などに比べて知名度はありませんが、鍼灸治療ではよく登場するツボです。
肩こり・腰痛・自律神経の乱れなど肝気の滞りや上逆が考えられるときなどに出番が多く、鍼のひびきを味わうには最適なツボです。
ひびかせることが前提のツボなので打つ直前はお互いドキドキしますが、独特の感覚なので「なんですか、そこは‼」と興味を持たれる方も少なくありません。
どうぞ最後までじっくりとお読みください☆
【太衝】の場所
ツボ:太衝
読み:たいしょう
所属:足の厥陰肝経
位置:足の甲、第1・2中足骨間の凹み
【太衝】のツボを取るコツ
・足の親指と人差し指の付け根から足の甲に向かって昇り、甲の骨に当たる手前
・押して凹みを感じるところが太衝のツボです
・奥の方で筋張ったように感じる場合もあります
動画でチェック!youtube「つぼこの部屋」
【太衝】を押して痛い時に考えられる症状
太衝を押して痛い時に考えられる症状は
[実証]
◆気の詰まり、上逆
・自律神経の乱れ
・イライラや落ち込みなど情緒の乱れ
・逆流性食道炎
・喉のつまり感、梅核気
・神経性胃炎
◆気血の詰まり
・血流の滞り
・PMS
・生理痛
・眼の病各種
◆筋の詰まり、滞り、滋養不足
・腰痛
・肩こり
・全身の過緊張
[虚証]
◆血の不足
・産後や妊娠中、長患いなどによる貧血
などです。
太衝はお灸に比べて鍼との相性がよく、なかでも瀉法と言われる「鍼の得気・ひびき」を出す方法で刺すことがほとんどです。
瀉法は実証に対しての操作、治療方針のめざす方向ですが、おススメの症状を見てもわかるように「滞り・詰まり・乱れ」を正すツボとして活用されます。
肝経に属しておりますので、肝の働きである気の調整や血の蔵血、筋肉の滋養に不調がある場合には、中医学を基とした鍼灸治療を行う鍼灸師ならまず選択するでしょう!
東洋医学において気血の乱れはすべての病につながると考えられますが、自覚症状として表れやすいものに肩こりや腰痛など、筋肉の緊張やコリによる身体の痛みがあります。
気血の巡りが滞ることにより、生活習慣や姿勢などで疲労が蓄積しやすい特定の筋肉が滋養されず、緊張と弛緩のスイッチの切り替えが自分でコントロールできない状況が考えられます。
【太衝】を押して痛い時にあなたができるツボ対策
太衝のお灸のやり方
・適度な熱さのお灸
・1~3日に1度の間隔
・気血の補充や足先の冷えを緩和することが目的の場合はお灸でいいと思います。
太衝の指圧による押し方
・イタ気持ちいいくらいの圧
・1~3日に1度の間隔
・足の甲の骨の際から、足底に向かって押します。
・筋張りがある場合には軽く押しても強くひびきますので加減しましょう。
実際の鍼灸治療ではほとんどが鍼を選択するツボです。
のぼせやイライラなど内熱が強い場合には、さらに熱化して病状が暴れ出す可能性がありますので判断に迷う場合は鍼灸師にご確認ください。
【太衝】の推しポイント
親指と人差し指の間という共通点でいえば、足の甲で「太衝」、手の甲で「合谷」があります。
「太衝」と「合谷」はツボの組み合わせとして「四関穴(しかんけつ)」と呼ばれ、全身の気の滞りを解消する狙いでよく使います。脳の興奮状態が続いて眠れない、気持ちの整理がつかないくらいイライラしている、など心身共に強い過緊張がある状況のときに、「太衝+合谷」の組み合わせでとりあえず鎮静化を図り、通常モードに切り替割ってきたころに残っている症状を追いかけるという二段階方式がいいような気がしています。
強い過緊張があると、腰痛にしても肩こりにしても、押しても感じない、突っ張り感が強くて動けない、可動域は問題ないのだが自覚的に動いていないと感じるなど、青信号と赤信号がまるでアベコベです。自律神経が乱れているので、血圧、睡眠、便通などにも不調がみられます。もれなく月経前や更年期、産後などのホルモンバランスが乱れるときも相応します。
そんなときに「太衝」一穴一択です。鍼が初めての方でも、やさしいひびきでスッキリしますよ。「ひびきと痛みはちがうのですよ」ということを鍼が初めての方こそ体感していただくようにしています。慣れている方は、ビーンとどうぞ☆
【太衝】名前の由来など
「太」は非常に大きいとか、はなはだしいという意味を持ち、「太」がつくツボはほとんどが要穴として使われています。
「衝」も大事なところ、要という意味と、衝突のように突き当たる、突くという意味もあり、まさに足の甲にある足根骨に突き当たる様を表していますね。
まとめ【太衝】肩こり・腰痛・PMS・自律神経の乱れに
【太衝】を押して痛い時に考えられる症状は、肩こり・腰痛・PMS・自律神経の乱れ
・梅核気・眼の病各種などがあります。
全身の過緊張肩こりで肩をもみ過ぎたらのぼせた、気持ち悪くなった、そんな経験はありませんか。
筋肉はほぐれたことは予測されるので効果がなかったわけではないと思われますが、血流が急によくなって気血が肩=身体の上部に集まりすぎて、のぼせてしまうと気持ちが悪くなることがあります。
肩こりでも腰痛でも、痛みが出ている部分よりも、先に患部から遠い部分に鍼をするという御作法があります。鍼灸師の先生によって経絡、経筋、特効穴など様々な方法がありますが、自由診療でされている先生だとそのような方法を取られる場合が多いように思います。(保険や混合でやっている先生は患部だけということもあるかもしれません!)
そんなときにも「太衝」の出番です。遠隔で気血の流れをある程度なじませてから、いざ!患部へ刺すと全身的な緊張も落ち着いているので刺入も抵抗なく身体のご負担も比較的軽いかと思います。
10月のつぼこの部屋「太衝」はいかがでしたでしょうか。
それぞれの症状は点々と個別に出ているように見えても、東洋医学のレンズ越しに覗いてみると、点と点がつながり合って、一本の線となり、ひとつの道になることがあります。
ひとつの症状はセルフケアでも対応できることがありますが、ふたつ、みっつと増えていく場合には、早めに専門家にご相談されることをおススメします。
こじらせると、その分回復までの時間も要しますからね。
月刊つぼこの部屋は、ネット版のほかにアナログ版もございます
アナログ版は、店頭にあるチラシボックスか受付にて配布しております。
ポストカードサイズになっておりますので、ぜひお手に取ってご覧くださいませ。
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