【症例】「足がつる」ことによる肉ばなれとローラーマッサージ器具による内出血に対する鍼灸治療
- shiho inuzuka
- 6 日前
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更新日:3 日前
こんにちは、はり灸sueru&YOGAです。
今回は、症例報告として、【「足がつる」ことによる肉ばなれとローラーマッサージ器具による内出血に対する鍼灸治療】をご紹介いたします。
これからに時期に遭遇しやすい症状であることと、セルフケアにおける注意点などを踏まえて解説します。
■ 主訴
こむら返り(ふくらはぎのつり)
ローラーマッサージ器具による内出血
■ 患者情報
年代:50代
性別:女性
体型:やや肥満傾向
■ 来院までの経過
患者様はもともと足がつりやすく、特にエアコンによる冷えた日の翌朝にふくらはぎがつることが多いとのことです。普段はご自身でマッサージを行い、症状が落ち着くのを待っていました。
6月のある土曜日、出勤前の朝方にふくらはぎがつったため、「なんとか歩けるようにしなければ」とスティック型のローラーマッサージ器を繰り返し使用。その後もつった部分に痛みが残り、ふくらはぎには多数の内出血が現れたため、来院されました。
■ 痛みと内出血の状況
右ふくらはぎの運動時痛 (つま先立ち、アキレス腱のストレッチ、歩行時などに痛み)
圧痛(押したときの痛み)
多発する内出血 → 点在性。運動や押圧による痛みはなし。


■ 初診での鍼灸治療内容
徒手療法(手技)
鍼通電療法(低周波パルス療法)
知熱灸(もぐさ灸)による内出血への対応
患部への運動鍼
施術後の痛み(VASスケール):6〜7 / 10(※10を最も強い痛みとした場合)
■ 2診目(翌日)での状況と治療
▼ 痛みの変化
歩行・ストレッチ・つま先立ち時の痛みは大幅に軽減
押したときの痛みは軽減傾向も、やや残存
VAS:5 / 10 → 治療後は 0 / 10
▼ 鍼灸治療内容
徒手療法
鍼通電療法
知熱灸


■ 補足解説
▼ こむら返りとは
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)に起こる不随意なけいれんで、痛みを伴います。足首を反らす・つま先を引き上げる・膝を伸ばすなどの動きでストレッチすると軽快することが多いです。
▼ 筋挫傷(肉離れ)の分類
Ⅰ度:筋繊維の一部に軽度の損傷。軽いけいれん、腫れ、内出血、圧痛など。
Ⅱ度:筋繊維の部分断裂。痛みや筋力低下がやや強い。
Ⅲ度:筋や腱が完全に断裂。激しい痛みと機能障害。
■ 今回のケースにおける考察
今回のこむら返りの段階で、すでに軽度の筋損傷(筋挫傷Ⅰ〜Ⅱ度)が生じていたと考えられます。
その上で、ローラーマッサージ器具を強く押し当てたセルフケアにより、筋繊維の損傷がさらに悪化し、広範囲な内出血が引き起こされました。
患者様も、内出血の広がりに驚かれたご様子で、器具の圧力調整がいかに難しいかがうかがえます。
■ 今後の見通しとアドバイス
2診目施術後のVASは0でしたが、アキレス腱のストレッチ時に「これ以上伸ばしたらブチッといきそう(本人談)」とおっしゃっていました。
今後、瘢痕(はんこん)化の兆候が見られる場合には、鍼通電療法などの追加対応が必要になる可能性があります。
また、内出血については自然に吸収・消失していく見込みが高いため経過観察とし、セルフケアとしては以下の点をお伝えしました。
マッサージ器具は力を加減しながら慎重に使用すること
夏場でも冷房による冷えに注意すること
長時間の歩行や帰宅後は軽くアイシングを行い、炎症を防ぐこと
■ 写真による経過記録
初診時:点在性・広範囲の内出血(青〜黄色に変色)
2診目:点在性内出血はくすみ、広範囲の内出血はほぼ消失

■結語|「足がつる」ことによる肉ばなれとローラーマッサージ器具による内出血に対する鍼灸治療
足がつったあと、30分以上痛みが続くようであれば、無理に揉まずにご相談ください。
こむら返りが週に3回以上ある場合も、体の状態の見直しをおすすめいたします。
早めのケアが、長引く痛みや不調の予防につながります。
お気軽にご相談ください。
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